名古屋「減税日本」市議 新人28人→11人


「議員報酬半減」を掲げる減税日本(代表・河村たかし名古屋市長)は、名古屋市議会(定数75)のリコールを受けた2011年3月の市議選で28人を当選させ、最大会派に躍り出た。あれから4年。いま市議団は11人しかいない。

 「委員会があるから出ろと言われて、何を持って行くかもわからない。『××住宅の問題で予算書の○ページを』と突然言われ、もう何もわからない」。28人のうちの一人は4年前を振り返る。

 当選した28人中27人が新人。しかも、唯一当選3回で市議団長を務める市議が、11年6月に政務調査費(政調費)の不適切処理問題で議員辞職する。繰り上がり当選した減税日本の市議も新人で、ついに28人全員が新人となった。

 議長にも新人の中村孝太郎氏(現在離党)が就いたが、12年3月、慣例の1年での議長交代を拒否して大混乱を起こす。同年7月には河合優市議(同)が当て逃げ事故を起こし辞職勧告決議を受ける。不祥事が続くと、会議で「自民党のスパイがいる」と言い出す市議が現れた。ある市議は「幼稚園の学級会以下だった」、別の市議は「全員が1年生で、誰も決断せず、何も決められなくなった」と振り返る。

 議会審議でも自民党などのベテラン議員に問い詰められ、立ち往生する。新人で議会運営委員長についた田山宏之氏は、「『勉強不足です。申し訳ありません』と言うしかなくなったことが何度もある」と打ち明ける。辞職勧告決議を巡る対応を他会派から批判された市議団長が、「今後は会派として議会運営に関わらない」という文書に署名するという珍事まで起きた。議長居座り問題を起こした中村氏は当選時を振り返り、「絶対落ちない選挙だった」と語る。「28人全員の資質に問題があった。とにかく候補が必要ということで集めてしまった」

 今春の市議選で減税日本は現職の一部の公認を見送り、新人に差し替える。広沢一郎幹事長(前愛知県議)は「問題を起こした議員は、社会経験が不足していた。期待に応える候補者選考ができていなかった。今回は前より相当に厳しく選考した」と話す。

 ◇大阪維新 強引運営、離反相次ぐ

 橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会。11年統一地方選では大阪府議選(当時定数109)で単独過半数となる57人、大阪市議選(定数86)では第1党となる33人が当選した。だが造反や不祥事で、府議団47人、市議団30人と少数与党に転じた。

 「意思決定の過程で違和感を覚えた」。昨年6月、維新府議3人が離党した。発端は統一選直後の11年6月、府議会定数を88に減らす条例案を強行採決したこと。削減により維新の現職同士が選挙区で競合し、調整がつかなくなった。離党した府議の一人は、松井一郎幹事長(府知事)に「くじ引き」を打診され、「市民の思いをばくちにかけられない」と反発した。会派内外で「強引だ」と批判を招いた進め方について、維新府議の一人は「過半数で何でもできるというおごりがあった」と反省する。

 昨年8月には、1期目の山本景府議(34)が無料通信アプリ「LINE(ライン)」で地元中学生とトラブルになっていたことが発覚し、府議団から離団処分となった。山本氏は13年秋、名刺を配った中学生とLINE仲間になったが、その後グループから外され「絶対に許さない」などと送信。問題発覚後に頭髪を丸刈りにした。

 ◇政策重視で投票を 新川達郎・同志社大大学院教授(地方自治論)

 議員選はただ一人を選ぶ首長選とは違い、議会の役割が重要だと理屈では分かっていても気軽に投票しがちで、流行に影響され目新しい候補に票が集まりやすい。減税日本や維新の躍進は、その時の有権者の関心を巧みにつかんだ結果だ。

 しかし、経験不足などから落ちこぼれる議員も出て有権者の過剰な期待を裏切った。党のラベルだけで当選した者は揺り戻しで、次回は厳しい戦いを強いられるだろう。

 かといって、既成政党への期待度や満足度は高くない。有権者は「期待を裏切られたから、今度は既成政党」という二者択一ではなく、今度こそ政策重視で投票すべきだ。実現の難しい数値目標を盛り込んだマニフェストを掲げた民主党の失敗を恐れ、各党ともまともな政策論議から逃げる傾向がある。次の統一地方選では地域の将来像を巡って真剣に議論し、本来の選挙戦を展開してほしい。【聞き手・和田浩幸】
参考文献 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150119-00000003-mai-soci

もみほぐし

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