高浜原発


関西電力高浜原発3、4号機(福井県)が審査申請から1年半以上を経て、ようやく新規制基準への適合を認められた。いち早く合格を得た九州電力川(せん)内(だい)原発1、2号機(鹿児島県)では、火山の予測に対する審査に批判が集中したことに比べ、高浜の審査に異論は少ない。しかし福井県に原発が集中している「集中立地の問題」や、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の使用など、審査で十分に議論されていない課題も残る。

 事実上の合格証となった審査書は、3615件の意見公募を経ても、語句や表現の修正にとどまり、当初の433ページからページ数は変わらない。意見が特に多かったMOX燃料について、審査書で触れられているのは1カ所程度だ。

 MOX燃料は、川内原発などで使う通常のウラン燃料と性質が異なり、強い放射線を出すため、取り扱いに注意が必要だ。核分裂を抑える制御棒の能力も若干落ちるほか、使用後のMOX燃料を処理する「第二再処理工場」の設置も全く見込みが立っていない。

 これに対し、原子力規制庁は「審査はMOX燃料の使用を前提としており、重大事故に関して、MOX燃料に特定した基準・審査ガイドは必要ない」との見解を示している。

 審査で全く触れられていないのは集中立地の問題。福井県は原発が集中する「原発銀座」とも呼ばれる。高浜は大飯原発と直線距離にして10キロ程度しか離れておらず、県内にはさらに美浜原発や敦賀原発、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」がある。大地震などでこれらの原発が同時被災することも考えられる。

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は「新基準を満たしていれば各号機で対応できる」と強調する。

 ただ、東日本大震災では、福島第1原発と、南に10キロ離れた福島第2原発が被災し、第1原発の所員らが一時、第2原発へ退避するなど、総合的な対策に追われた経緯がある。田中委員長は「議論は残っている」とも述べ、集中立地の課題を今後検討することを視野に入れている。(原子力取材班)参考文献http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150212-00000518-san-soci

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