プレミアム缶コーヒー


コンビニエンスストアのカウンターコーヒーのヒットなどに押されて、ここ数年横ばいを続けている缶コーヒー市場。例年だと缶コーヒーの新製品ラッシュは秋 に集中するといわれているが、今年は春にも各社のプレミアム缶コーヒーの新製品投入が相次ぐ。消費者の選択の幅を広げ、無糖茶など他のカテゴリーの飲料や レギュラーコーヒーの愛好家にも缶コーヒーを飲んでもらって、市場全体の拡大を目指すのがねらいのようだ。

缶コーヒーメーカー各社は、昨秋に原料や製法にこだわり、高級感、本格感を前面に出した「プレミアム缶コーヒー」を相次いで商品化した。春商戦は、「プレミアム缶コーヒー」商戦の第2幕になる。

■「プレミアムボス」にブラック、「キリン別格」にはエスプレッソも

レギュラーコーヒーの複雑なコクのある味を実現した「プレミアムボス」を発売したサントリー食品インターナショナル。ボスシリーズの中で従来の主力製品と並ぶ好調な売れ行きだ。

「プレミアムボス」のラインアップ強化で、新製法に加えてブラジルで最高等級のコーヒー豆を使用し、深煎りした焙煎豆から抽出したコーヒーオイルをブレ ンドしたボトル缶の無糖コーヒー「プレミアムボス ブラック」を3月10日に発売する。400グラム(希望小売価格・税別140円)と300グラム(同 130円)の2種類だ。

柳井慎一郎・食品事業本部ブランド戦略部部長は、「無糖のボトル缶は、レギュラーコーヒーや無糖茶との併飲率が高いので、こうした層を取り込んで横ばいを続ける缶コーヒー市場を拡大したい」と話す。

一方、キリンビバレッジは、昨秋に発売した製法などにこだわったハイグレードな飲料ブランド「キリン別格」シリーズに「希少珈琲BLACK」と「希少珈 琲 with ESPRESSO」を3月31日に追加する。昨秋発売した「キリン別格」シリーズは、緑茶、コーヒー、ジンジャエール、ウーロン茶の4種 類。「希少品種のブラジル産コーヒー豆を使用し、香川県で精製したほぼカロリーゼロの希少糖を使用した『希少珈琲』が最も売れたので、コーヒーのライン アップを強化する」(広報)という。

昨秋、発売の「キリン別格」シリーズは、すべて375グラムボトル缶で希望小売価格は税別200円。今回発売する「希少珈琲BLACK」は、容量は同じ で同175円に値下げする。「希少珈琲 with ESPRESSO」は、275グラムで同165円だ。「別格シリーズは、高価格帯商品も求める消費の二 極化に対応したシリーズだが、すべてが200円というわけではなく、今後も製品ごとに価格は考えていく方針」(広報)という。

■ダイドーは、ふって「泡立つプレミアム」

飲みきりでなく、ふたを閉めることが可能な缶だが、ライバル2社のボトル缶とは形状が異なる小容量で飲み口の広い〝ボトル〟缶で攻勢をかけるのはダイ ドードリンコ。同社は、価格は同じだが、容量が通常の缶コーヒーより少ない「デミタス」を1992年に発売したプレミアム缶コーヒーの元祖だ。

昨年8月に飲む前に缶を振ると口当たりなめらかな泡立ちになる「泡立つデミタスエスプレッソ」を発売した。厳選した5カ国のコーヒー豆を通常の2倍以上使用し、カフェで使用されるエスプレッソマシンを工業的に再現した抽出機を使用するなど独自製法でおいしさを追求した。

3月2日に、より幅広いユーザーに楽しんでもらえるようにコーヒーとミルクと砂糖となめらかな泡立ちを調和させた「泡立つプレミアム」(170グラム) を発売した。希望小売価格は税別で130円。新商品は、「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ2013」で優勝したピート・リカータ氏の監修を受けて いる。

ブランド戦略グループの細谷雄太マネージャーは、「缶コーヒーはマンネリ化している。缶をふるとなめらかな泡が立つことで驚き、飲んでさらにそのおいし さに驚いてもらうというこれまでにないプレミアムコーヒーが『泡立つプレミアム』。缶コーヒーはどれも同じと思っている人や、ふだん缶コーヒーを飲まない 人にも飲んで楽しんでほしい」と話している。

海外に比べてカフェでゆっくりとコーヒーを飲むことに慣れていない日本人にとって、缶コーヒーの手軽さがうけている。3社以外のプレミアム缶コーヒー市場への参入も予想され、一層おいしい缶コーヒーを追求した開発競争と覇権争いがますます激しくなりそうだ。参考文献http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150303-00000501-fsi-bus_all

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